少し早めの春が訪れたのか寒さも落ち着いたモスクワにて、ジャパンハウスの墨絵マスタークラスを取材してまいりました。快くインタビューに応じてくれたお二方にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。
- エレーナ・ニキフォロバさん
インタビュアーと通訳スタッフ共に作品の第一印象でお声がけしたエレーナさんは、クラスの中でもトップレベルの評価を得ている方で、過去には賞なども受賞されているそうです。
―墨絵はどのくらい続けていらっしゃいますか?
ジャパンハウスで墨絵をはじめて5年ほどになります。それ以前は3年ほど中国画を習っていました。
―墨絵の魅力はどのようなところでしょうか?
私は昔から白と黒だけで表現されているモノクロ写真がとても好きでした。モノクロームの魅力はその中に淡さと力強さを併せ持っていることにあると思います。
―ご自身よく描かれるモチーフなどはありますか?
特別なモチーフへのこだわりなどはありません。私はとにかく描くことが好きで、どんなものでも描いています。専門的に芸術を勉強したわけではないので、まるで子供のように目に付いた素晴らしいものをどんどん描いていっています。
―今後墨絵を続けられる上での目標などをお聞かせください。
計画のようなものはありませんが、絵画よりも墨絵を描き続けていきたいです。目標を挙げるとするならば、100歳になっても墨絵を描き続ける事です!
- ワレーリイ・ヴィコフさん
女性の多い墨絵クラスの中では数少ない男性の方です。日本文化全般に対してとても興味をお持ちで、ジャパンハウスの雰囲気そのものがとても好きだとおっしゃっていました。
―墨絵はどのくらい続けていらっしゃいますか?
もう3〜4年ほどになります。
―墨絵を始められたきっかけはなんですか?
私は子供の頃からずっと映画に憧れがありました。そこで出会ったのが雪女をモチーフにした日本映画です。そこから日本人の考え方や、日本文化について強く興味を持つようになりました。
日本の文化というものに、私はとても親しみを感じています。博物館で日本の根付や日本人の絵を見せて頂いたり、話を聞かせて頂いたりして日本の神道が我々スラブ人の昔の宗教観にとても近いと感じました。それが日本文化に親しみを感じる理由かもしれません。
―では墨絵の魅力はどんなところでしょうか?
白と黒だけで表現できること、それがとても大きな魅力です。
―最後に今後墨絵を続けられる上での目標などをお聞かせください。
私の目標はとてもシンプルです。もちろん、日本人のようにとはいかないかもしれませんが、「日本の心を感じて描くこと」それが私の目標です。ジャパンハウスで日本のゆったりとした素晴らしい雰囲気を感じています。
お二人とも突然のインタビューにも関わらずとても快く対応してくださり、墨絵について、いろいろなお話を聞かせてくださいました。
これからも素晴らしい作品を描かれる事を期待しています!